個人開発における請求書払い・掛け払いプラットフォームを比較する

はじめに

商売をしていると「請求書払い」「掛け払い」(同じ意味)をしてほしいと要望されることがあります。

私は、個人(一人法人)でシステム開発・サービス提供をしているため、事務の手間が増える請求書払いはできるだけ避けたいものです。
しかしながら、主に大企業ほど請求書払いの要望が多く、また金額も大きいため、利益の関係で請求書払いをやらざるを得ない場合があります。

この請求書払いの事務費用を下げるため、請求書払いプラットフォームを比較します。

通常の手順

まず、何も利用しない・一般的な場合の流れを記載します。

請求書払いを依頼された場合、
① 与信審査
 まず与信審査を行います。相手方に支払い能力があるかを判断するためです。
 一般的に、東京商工リサーチや帝国データバンク、リスクモンスターなどが利用されます。1件2000円くらいが相場のようで、まぁまぁ高いです。追加料金を払うと反社チェックなどもしてくれます。

② 請求書を発行
 請求書を発行します。楽々明細などの請求書発行プラットフォームを使っている場合もあると思いますが、Excelで作成している企業も多いのではないかと思います。

③ 送付
 多くの場合はメールで請求書を送ることになります。
 一部の企業では今でも郵送・書面での発送が必要な場合があります。

④ 消し込み
 銀行振込がされたら、「消し込み」と呼ばれる、請求書と銀行の履歴を照合する作業が発生します。
 件数が10件程度ならまだいいのですが、100件を超えると憂鬱な作業です。

⑤ 未払い金の回収
 支払いが無い場合は催促を行います。それでも支払われない場合は弁護士に依頼します。

このように、請求書払いは結構面倒な手続きを必要とします。
 

比較

では、本命の各サービスの比較を行いたいと思います。

NP掛け払い

NP掛け払いは後払い決済サービスです。

与信審査、未払い金の催促(弁護士対応含む)、未収金の保証などがメリットです。
通常作業のほぼすべてを代行してくれます。恐らく業界トップシェアかと。

料金は次の通りです。

以下のグラフは私がExcelで作成したものになります。
NP掛け払いでは月額固定費があるため、金額が少ない場合は料金が非常に高くなる傾向にあります。

BtoB・企業間後払い決済/請求代行サービス「NP掛け払い」
「NP掛け払い」は、業界No.1の後払い決済会社で&#...

マネーフォワード ケッサイ

経理システムで有名なマネーフォワードのサービスです。

機能としてはNPと同等で、請求書の発行や未収金保証などがあります。

違いとして、カード払いに対応しています。
また、月額費用0円から導入でき、NPよりも安いことがメリットでしょう。

料金は次の通りです。
初期費用・月額費用は0円で、手数料が3.5%スタートとなっています。

【公式】BtoB・企業間後払い決済/請求代行・ファクタリングのマネーフォワードケッサイ株式会社
BtoB・企業間後払い決済/請求代行「マネーフォワード ケッサイ」と法人向けファクタリングサービス「アーリーペイメント」を提供するマネーフォワードケッサイのトップページです。売掛金の早期資金化や請求業務アウトソースにより、資金繰り改善や業務効率化を通じて企業の挑戦をサポートしています。

Stripe

アメリカの決済会社Stripeはグローバルな決済プラットフォームです。

最大のメリットは、海外からの支払いに対応している点です。ドル払いができます。
ユーザーが国外にも居る場合は第一候補になると思います。
また、カード払いやコンビニ払いなどと併用でき、APIが提供されているため決済時にシステムに自動反映することもできます。

手数料は1.9%です。
ボリュームディスカウントが無い代わりに、最初が他社よりも安くなります。

銀行決済手数料:1.5%
請求書発行料:0.4%
※ 定期払い(サブスク)の場合:+0.5%

一方で、与信審査や催促、未収金保証はありません。
これらのサービスが必要な場合は選択肢として弱いでしょう。
また、請求書が海外仕様のため若干ダサいです。過剰なデザインを施したHTMLメールが届くのも難点です(私のOutlookでは迷惑メール判定されていました)

元々サブスクサービスを提供している場合に、追加機能として請求書払いに対応したい場合の選択肢だと思います。
もしくは、Webサービスなどで完全な自動化を行う場合の選択肢でしょう。APIが優秀なため。

Stripe | 決済サービスの料金・手数料、導入について
Stripeは初期費用・運用コスト0円|利用料は決済手数料のみで導入可能なオンライン決済プラットフォームです。お客様の状況に合わせたプランのご提案も可能です。

まとめ

どのサービスを選ぶかは、自社の提供サービスによると思います。

例えば、取引先がほぼ変わらず、月の決済額が1000万円を超えるような場合は手数料が20万円となりますので、人を雇った方が良いかもしれません。
請求書払いは主に月末月初に作業が集中するため、それ以外の日は別の仕事を頼めます。

一方で頻繁に新しい取引先と取引するECサイトなどでは、有効な選択肢です。与信審査コストで十分に元が取れます。少額・多企業との取引で有利です。

私の場合は、悩んだ末にStripeを使用することにしました。
なぜならサービスを国際対応にする予定があり、カード払いにStripeを採用しており、銀行振込もAPIでシステムと連動させたかったためです。未収金が発生した場合は諦める方針です。
また、決済額が少ない場合でも手数料が安いため、始めたばかりの他のサービスとシステムを共通化できることも理由となりました。

ご参考まで。

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