背景
LANケーブルが大量に必要になったのですが、「LANケーブルなんて自作すればいい」という話を聞き、LANケーブル自作した方がいいのかコストの観点から調べました。
調べ方としては、自作のコスト、購入のコストをそれぞれ計算する方法で調べたいと思います。
自作コスト
まず自作コストです。
初期費用
初期費用として道具類が必要になります。
製作には、ケーブル切断、被覆剥き、圧着器具、ケーブルテスターの4種類の道具が必要です。
汎用品の道具で代用はできるようですが、念のため専用の道具を買った方が効率が良いようです。
主に「自作キット」としてセットで売られているので、それを買うのが良さそうです。
Amazon内でメジャーな商品は以下のようなものです。
自作キット:
https://amzn.to/3DF0d5k
初期費用は13200円ほどとなります。
ケーブルごとの製作コスト
ケーブルごとの製作をコストを比較していきます。
LANケーブルの規格はCat6で計算します。Cat5eの方が若干安いのですが誤差みたいなものなのでCat6を使用します。
ケーブルは日本製線の商品がメジャーなようです。私は知らなかったのですが、グループ総数1000人規模の大手企業でした。
LANケーブル(100m):
https://amzn.to/3RuFKpD
消耗品費:
これらを計算していきます。
以下の表は、ケーブルを100本制作した場合のコストです。
1本あたり10分の製作時間をかけ、ひたすら作り続けた場合の総計が右端の列になります。
※ 時給は「令和2年度 厚生労働白書」より正社員の平均時給です。
購入コスト
自作のコストが分かりましたので、次に購入のコストを調べます。
購入コストは簡単です。価格に100(本)をかけるだけです。
ケーブルの単価は以下の通りです。
ダイソーが最安らしいのですが流石にダイソーケーブルを使うのは自作よりも心配になってしまうので、今回はサンワのケーブルで計算したいと思います。
長さのラインナップが無い場合は近い長さのケーブルの価格を選んでいます。(エレコムの0.5mとサンワの0.3m)
LANケーブル(サンワ):
https://amzn.to/40qFCvo
そして、この単価に本数100本をかけます。
購入時の価格が算出されました。
価格比較
LANケーブルの自作コスト、購入コストが算出されたため、これを比較してみます。
はい、見ての通りほとんどのケースで自作の方が損をしています。
基本的にケーブルが長くなればなるほど自作の方にメリットがあるようですが、ケーブルが短いと自作の方が損をします。
損益分岐点は10m以上で、それ以下は損をしています。自作のコストパフォーマンスは良くありません。
念のため、プラスになるケースも考えてみます。
仮に1本5分で製作できるベテランが時給1000円で働いた場合は、以下の通り一応プラスです。ただ、この条件は順調に回ったケースですし、このためだけにアルバイトを雇うのも仲介料などを考えるとメリットが無いように思います。
100本単位ではなく1000本単位になってやっと雇うほどのコストメリットが出るのかなと考えます。
まとめ
LANケーブル自作のメリットは、好きな長さで切断できることですので、ケーブリングを美しくしたい場合や、時給を気にしなくてよい趣味の範囲であれば良さそうです。
また、長いケーブルを敷設することが多い場合は自作セットを持っておくと良さそうです。
しかし、自作の方が安く済むという考えや、コストパフォーマンスを求めてLANケーブルを自作するのはあまり良い選択肢とは言えないと思います。
精度の問題で障害が起きる可能性を考えると、おとなしくメーカー品を買っておいた方が安心だと私は思いました。
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